恩師
先日、高校の恩師に電話をしました。
わたくしは広島の出身で廿日市高校(はつかいち)という高校に通っていました。
今だから時効ですがとっても成績不良(素行も不良・・・)な生徒でした。
(なぜか)今のお知り合いの方に話すとにわかには信じてもらえませんが
本当に問題児でした・・・。
「いつやめてもいい」そう思いながら、学校に通う日々でした。
学校での友だちもいませんでした・・。
けっこうマジメな学校でしたので、価値観の合う生徒はいませんでした。
当然、わたしにとって「先生」は敵でした。
わたしのことをわかってくれる訳もなく、「落ちこぼれ」に対する対応
そのものでした。
そんな中、2年生で担任になったN先生はちょっとちがいました。
なんかガラが悪そうで粗暴(すいません)な感じのする先生で、変わってるな
というのが最初の印象でした。
言葉使いも荒いんですが、なんか「愛」があるんですよね。
他の先生はわたしには関わりたくないオーラを出していましたが、N先生は
いつも声をかけてきます。
しかも「勉強はどうや?」とか「学校楽しいか?」とかじゃないんです。
「太郎は好きな女はおるんか?」とか「おまえが一番興味あるのはなんや?」
とかわたしの心に届く言葉を投げかけ続けてくれました・・。
学業不良のわたしが留年しないよう一つ一つ各教科の先生に交渉して
「国語はこの課題をやれ」「数学はこれとこれをやれ」「英語はこの課題を
クリアせぇ」等々々・・・。
こうしてわたしは無事3年に進級し、その後卒業することが出来ました・・・。
わたしの閉ざした心も少しづつ開かれ、友達も少しづつ出来ました・・。
卒業するときには「高校生活」が一番楽しかった」と心から思えるように
なりました。
そんな大恩ある先生が去年の3月末で定年を迎えられました。
たくさんの生徒から慕われてきた先生は、学校という職場では疎まれていたようです・・。
普通科から定年前には定時制に配置されたそうです。(出世とは言えないようです)
先生はいつも言います。「定時制に通う生徒も、不良の生徒もみんな元気
良すぎて日本の教育のワクに入れんだけなんじゃ。みんないいものを
持っとる。もっと広い世界に出て行くべきなんじゃ。こいつらが活躍する
には狭すぎるんじゃ。」
学校という制度と戦いながら、生徒に光を当て続けてきた先生にどうしても
お礼が言いたくて電話して会いにいこうと思いました。
あいにく奥さまが体調を壊されて落ち着かないのでまた今度ということに
なりました。
いい師との出会い、とっても大切ですよね・・・。
わたしとっては命に火を灯してくれた、先生なんです・・・。