きのうは久しぶりに倉敷市水島のお客さまのところに行きました。
もう15年くらい前に「飛び込み」でお客さまになっていただいた
会社です。
家族経営で設備関係の会社をされています。
社長がお兄さん、専務が弟さん、お母さんが事務で、あと社員さんが
2名です。
事務をされてるお母さんとお話しをしました。
いつ行っても「小川さん、いつもありがとう。忙しいのにわざわざ来て
いただいてすいません。」と腰の低い方です。
15年お付き合いしていても、一度たりとも怒ったところをみたことが
ありません。
社長も専務もみんな人がいいなぁ、なんて思っていました。
だって15年も付き合っていればわたしも失敗の一つや二つ(それ以上
かも)はしますもん。
そんな時でも「ま、しょうがないな。」と苦笑いですましてくださいます。
でもそれは亡くなられた先代の社長(おとうさん)の生き様そのもの
だったんです・・・。
お母さんは「ウチのお父さんは本当に立派な人でした。出来の悪い妻で
あるわたしをとても大事にしてくれました。近所の人たちにも「ウチの
嫁さんはええ嫁じゃ」といつもいいことばかり言ってくれてたよう
です。いつも感謝の言葉をだれに対しても言っていました。」
夫婦ゲンカも一度もしたことがないという・・・。
そんなとても仲のいい夫婦だったんですが、お母さんにも一度「どうしよう
?!」ということが起きたそうです。
お父さんがとても大事にしていたン百万する壺(ツボ)を傷つけて
しまったそうです・・・。
部屋をそうじしている時に当たってしまったようです・・。
その4日後、お父さんが「今晩ウチにお客さんがくるんじゃ。わしの
壺がみたいそうじゃ。いっしょにご飯を食べようと思うから準備して
おいてな。」と言われたそうです・・・。
お母さんも内心「あ〜〜、どうしよう・・・。言わなくっちゃ。でも
あんなに大事にしてる壺を壊したなんて・・・言えない・・・。」
それでも勇気を振り絞りお母さんは言いました。
「あのな、おとうさん。わたしこのあいだ、そうじをしてておとうさんの
大事な壺を傷つけてしまったんよ・・・。ごめんなさい・・・。」
お父さん「えええっっ??!!」お父さんは慌てて壺を見たそうです。
お父さんはしばらく無言になりました・・・・・・・・・・・・・・・。
「まっ、ええか・・。おまえがケガせんでよかったよ。」
お母さんは思ったそうです。
なんか怒られるよりも悪い気がしたと・・・。
お父さんの本当に大事なものはお母さんであり、生かされてるという
感謝だったようです。
そんな家庭でくらしたT家の人々はみんないつも明るくあたたかいです。
76歳になったというお母さん。
本当にいつも元気でイキイキとして若々しいです。
「だってなんでもさせていただく、と思ってやると楽しいでしょ。
イヤイヤやると何をやっても大変って感じますもん。」
言うは易し行うは難し。
お父さんから受け継いだ「感謝」が身にしみてる人が言う言葉は
本当に重みを感じます。
そんな素晴らしいお客さんに出会えたことに感謝です。