ちちおや
- 2013-10-31 09:10:00
わたしは3歳で父が病気でなくなりました。
それから母はわたしが7歳の時に再婚しました。
二番目の父はやさしい人でした。
でも事業に失敗していろんな事情もあり、母とは
離婚しました。
しばらく会ってなかった父ですが
そんな父とここ3年ほどつきあいがあります。
3年前に病院で会った時は「死んだ」と思うほどの
重症でしたが奇跡的に回復し今は老人ホームに
入っています。
昔から大きいことを言う父でしたが、相変わらずです。
「今度の仕事が契約になれば田舎に家を建てちゃる、
それがワシの夢じゃ」みたいな。
たしかに昔は豪邸を建て、クルーザーで海に遊びに
行ったりと羽振りよかったんです。
今でも父の生きがいは「金もうけ」。
お金を儲けることが生きるということ。
使うことにはあまり興味はありません。
だから高価なものを買っても、すぐ人に
あげてしまいます。
そんな父ですが、わたしに金を貸してほしいと。
「いいよ」と貸しました。(別にあげてもいいんだけど
本人のプライドもあるので)
返すと言った期限に来てほしいということだったので
訪ねました。
父「悪いが返すカネは用意したんじゃが、また貸してくれんか?」
わたし「いいよ。」
父「ここにほら、カネあるから。一旦渡すで。で、また貸してくれるか?
すまんな。」
父はどうしてこのお金がいるかわたしに一生懸命説明します。
仕事をするために見栄を張らんといけんこともある。
つきあいもあるんだと・・・。
その姿を見ていると涙が出てきてしまいました・・・。
父「どうしたんや?つらいことがあるんか?わしでよかったら
言ってくれよ。相談にのるで」
わたし「・・・・だいじょうぶ。ありがとう。」
ごめんね・・・。オレが頼りないばっかりに、こんなミジメな想いを
させてしまって・・・・。
年金でホソボソと暮らしながらも「金もうけ」を夢見て生きる父。
みんなそれぞれの人生がある。
きっと本人は回りが思っているほど悲観的ではないんだろう。
助けることが本人のためにならないこともある。
でも「助けて」と言ったときは、せめて力を貸したい。
いまは月に一回わたしに会うのが楽しみだと言ってくれる。
今月は誕生日だから、家族で会いにいくね。
いつまでも元気でね。