初めての対面
きのうも夜、父親のところにお見舞いに行きました。
子どもたちを連れて。
娘たちは初めての対面です。
病室に入り声を掛けます。
「おとうさん、子ども連れてきたよ。」
父「・・・・。お・・お〜、べっぴんじゃあ。二人ともべっぴんじゃあ。」
子どもたち「えへへへ」
父「ありがとう。うれしいわ。病院入院して・・よかった。みんなに・・・
会えた・・。ありがとう・・・。」
わたし「今まで連れて来なくてごめんね。」
父「そんな・・ことない・・。うれしいよ・・・。」
子どもたちが手紙を読みます。
「おじいちゃん、はやくよくなってあそびにきてね。まってます。
大好きだよ。」
父「ありがとね〜、ありがとね〜。ほんま・・・ありがとね。うれしいわ。」
わたしは・・もう、涙がこみ上げてきます・・。
今さらかもしれませんが、ちょっと孝行出来たかな・・・。
しんどそうにグッタリしている父ですが、気持ちは伝わったようです。
父「まだまだ、死ねん。まだ・・がんばるで。」
わたし「そうよ!まだまだ、これからよ!元気出して!」
父「うん、うん。ありがとう。ありがとう・・・。」
短い時間でしたが、15年の歳月が溶けて小さな芽を吹き出したような時間
でした・・・。
父にとっても、わたしにとっても、止まった時間が動き出した。
そんな瞬間でした・・・。
別れ際にはしんどうそうな父も力ない顔で笑顔を見せてくれました。
手を振ってお別れです。
「また来るよ〜。元気だしてね〜。」
父「ありがと、ありがと・・。」
苦しそうな父。
せめて痛みと苦しみを和らげてあげられたら・・と願います。