命の恩人 III
長くなってすいません、続きです。
そう「苦労すればするほど人は幸せになれる」ということが腹に落ちた
瞬間から輝き始めたんです。
今までの「失敗したくない。人にバカにされたくない。」と言う気持ちから
ウソのように開放されました。
「なぁ〜んだ、失敗してもいいんだ。全てを失ってもいいんだ。きっと
それ以上のものが手に入るためのプロセスなんだから」と思えたんです。
と、次の瞬間、妻の顔、子どもの顔、親戚、そして社員の人たちの顔が
浮かんできました・・・。
そうか・・・。
そうだったんだ。
自分がここまでやってこれたのも「まわりのみんな」のおかげだったんだ。
「感謝」の瞬間でした・・・。
もう、涙が止まらない。
よし、これからは「まわりのみんな」のために生きよう!
そう思いました。
翌日の朝起きてもまわりの景色がキラキラ輝いて見えました。
妻にも「きのうまで本当にゴメン。オレはなにもわかってなかったね。
いつも厳しいことばかり言ってごめんなさい。これからはなんでもするから。」
妻もビックリして戸惑っていましたが、それからのわたしを見て変わった
ことに気がついたようでした。
今まで避けていた妻の実家の両親やおじいちゃん、おばあちゃんにも
一気に親しくなりました。
会社でも変わったと思うんですが、そこはどう思われたかはよくわかりません。
でも、どう思われてるかなんて気にならなくなったのは確かです。
自分が感謝してる気持ちを伝え行動したい。
ただそれだけでした。
変な表現ですが本当に一億円手に入れたような気分でした。
実際、現実にはきのうまでのわたしと何も変わってないのに
すべてが変わりました。
変わったのはわたしの考え方、ものの見方だけでした。
すべてはNさんが自らの命を賭けたメッセージだったと言えるでしょう。
うまく表現できなかったかもしれませんが、「裏と表」「光と陰」という
くらいわたしの価値観・人生観は変わってしまいました。
まさに「生きてる」ことを(当時)37歳にして実感した出来事でした。
わたしに「命」を吹き込んでくれたNさん。
まさに命の恩人として亡くなったいまもわたしのこころの中でキラキラ
と輝きつづけています。
長いわたしのお話しに最後までつきあってくださってありがとう
ございました。
これからもせっかくいただいた命をだれかのお役に立てたいと
思っております。
それがNさんへの最高の恩返しですから・・・。