見えない壁
先週のことですが、表町の方に用事があり商店街を少しブラブラ歩きました。
天満屋に入り地下で「おいしいお弁当」を買いました。
一階に上がり出口から出ようとしたとき、カートを押してるおばあちゃん
が後ろから来ていました。
「どうぞ」と戸を開けると「ありがとう、ありがとう。」と言って
外へ出ました。
わたしも外へ出て、行こうと思ったら、おばあちゃんはカートを持ったまま
外で立ち止まっています・・・。
おばあちゃんの前にはわずかですがスロープがありました。
わたしが「お手伝いしましょうか?」とカートをスロープの下まで降ろしました。
「ありがとう、ありがとう。」とおばあちゃんは言いました。
でも・・・まだ立ち止まっています。
「よかったらつかまってください」と言っておばあちゃんの腕をつかんで
支えながらスロープをゆっくり降りました。
「ありがとう、ありがとう」
おばあちゃんは繰り返し繰り返し姿が見えなくなるまでずっと言いながら
カートを押して歩いて人ごみに消えていきました・・・。
大したスロープ(段差)じゃないんです。
普通の人なら気づきもせずに歩いて通るところです。
わたしがいなかったら、おばあちゃんはどうやって通るつもりだったんだろう?
だれかが助けてくれるまで待ち続けたんだろうか・・・。
おばあちゃんのふくよかな腕をつかんだ時、わたしはハッとしました。
おばあちゃんの腕はとっても柔らかく筋肉は全然ないんです。
(いつものことですが)泣きそうになりました。
いや、泣いてました・・・。
おばあちゃんにはボクたちが普通に歩いている道や店を見て、見えない
壁があっちにもこっちにも立ちふさがっているんだろうな・・。
そんな中でもたった独りで出て行って買い物しなきゃいけないん
ですね・・・。
こんなに不自由でも頑張って生きている・・・。
「ありがとう」と言う言葉と感謝の気持ちを忘れずに・・・。
ボクは体が元気なぶん、お年寄りの方々にもっともっと親切にしなきゃ。
涙でグニャグニャに曲がったおばあちゃんを見ながらそう思いました・・。